ニュース・フラッシュ
2012年11月21日
調査部
渡邉美和
中国:投資奨励のため2013年からこれまでの投資税を廃止
現地報道によると、「国務院による一部の行政法規の改修と廃止決定」(国務院令第628号)に基づき、2013年1月1日から「中華人民共和国固定資産投資方向調整税暫定条例」が廃止されることになった。これにより中国の国税はこれまでの19種から18種に減る。
「中華人民共和国固定資産投資方向調整税暫定条例」は1991年に「中華人民共和国建築税暫定条例」の廃止とともに同年1月1日から施行され、一般的には投資税と略称され、国民経済の調整や、投資の膨張に一定の効果を示した。しかし、アジア経済危機の発生後、社会投資を促し、金融危機の影響から脱するため、2000年1月1日から国務院はこれに基づく投資税課税をいったん停止し今日に至っていた。
投資税はこれまで中国内で固定資産投資を行う国内資本の機関と個人に対し課税され、外資や外国人には課税されなかった。また14種の産業ごとに差を持った税率が運用された。「なぜ現時点に至り投資税廃止となったのか」との問いに対して、関係者の中は、税制そのものの廃止により、主体的な積極的投資をうながす効果があるとも、経済の成長を目指す上でも制度廃止が安定性をもたらす意義があると述べている。また、近年進められている「簡便、広く、低税率、厳格課税」の原則から廃止されたとも見られる。