閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2012年11月21日 北京 篠田邦彦

中国:中国政府が「レアアース産業調整・高度化のための特別資金管理方法」を発表

 安泰科によれば、中国の財政部・工業情報化部が、「レアアース産業調整・産業高度化のための特別資金管理方法」を発表した。特別資金は、中央政府の財政により支給され、報奨、無償援助、資本金投入の三つの方式で支給する。レアアース資源の開発監督管理、グリーン開発製錬など分野に当該資金を利用することができる。
 中国の財政部は、特別資金による予算管理、資金配分及び支給業務に責任を負い、且つ特別資金の使用状況に対し監督管理と実績評価を実施する。工業情報化部は、資金による支援方針及び重点分野を提出し、財政部と共同で申請プロジェクトに対し審査・認可を行い、プロジェクトの実施状況に対し監督検査を実施する。
 特別資金の支給は主に以下のように実施する。レアアース資源を保護し、採掘の秩序化を図るための監督管理システム、既存企業のレアアース採掘・選別製錬生産システム及び環境保護システムの改善プロジェクト、環境保護に配慮した製錬技術の改善、核心技術及び標準技術の開発、採掘選別技術のルール化及び標準の構築、ハイテク技術の応用及び産業化、条件の整ったレアアース企業のハイテク材料及び部品研究開発モデル基地の設置に対して支給する。
 本「方法」では、すでに鉱山採掘から精錬、加工まで一連の管理システムを整備している地方政府には、実質投資額の20%を上限に一回限りの奨励金を出す。
 国家レベルの環境保護基準を満たしている企業も一回限りの奨励金の補助対象となり、採掘企業には高純度レアアース酸化物(REO)1 tあたり1,000元、製錬分離企業には1 tあたり1,500元、金属製錬企業には1 tあたり500元がそれぞれ支給される。
 また、レアアースの高付加価値化を図るようなハイテク技術に対しては、研究開発資金の50%を上限に無償で補助金を提供する。一つの研究開発プロジェクトにつき年間上限1,000万元の補助を受けることが可能である。
 ハイテク技術の応用と産業化、公共技術サービスに関する環境整備に対しては、資本金投入方式を採用する。ハイテク技術の応用・産業化プロジェクトに対し、前年度投資実績額の20%を上限とし、1件のプロジェクトにつき年間上限5,000万元の補助を受けることが可能である。公共技術サービスに関する環境整備プロジェクトに対し、前年度投資実績額の50%を上限とした補助を行う。
 監督管理システムの建設及び環境改善に対する奨励金のほかに、他のプロジェクトに支給される補助金については、年度ごとに申請することができる。重要な継続プロジェクト及び未完成プロジェクトに対する補助金の申請については、優先的に考慮する。その他の方法で中央政府の財政支援を獲得したプロジェクトに対しては、特別資金を支給しない。
 本「方法」では、財政部・工業情報化部が、特別資金の使用とプロジェクトの実施状況に対し定期的・不定期的に抜き取り検査を実施し、且つ年度実績評価を行う。規定に基づかずに資金を使用した場合やプロジェクトの実施状況が計画と一致しない場合、財政部が一部または全部の資金を回収し、次の年度には当該プロジェクト実施機関に対し特別資金を支給しない。

ページトップへ