ニュース・フラッシュ
2012年12月3日
サンティアゴ
神谷夏実
ブラジル:Vale、2013年の投資額163億US$で、2010年も下回る水準
Valeは、2013年の投資額を163億US$と発表したが、過去最高であった2011年の180億US$、2012年の175億US$(推定)から、2年連続の減額となった。内訳は、新規投資101億US$、既存プロジェクト生産維持51億US$、研究開発11億US$である。中国経済拡大の減速、欧米の鉄鋼需要の減退等により鉄鉱石価格が下落し、同社の業績にも影響を与えた結果である。Valeは、2011年5月にFerreira社長交代後、コスト削減、コアビジネスへの集中を進めるとともに、グローバル拡大路線からブラジル国内へのシフトを進めてきたが、今後益々、投資効果が大きく低コストの優良案件への選択的投資を進めるという。Valeは、2012年に入り、コロンビアの一般炭プロジェクトの売却(5月)、ギニアのSimandou鉄鉱石プロジェクトの見直し(10月)を行う一方、ブラジル国内では、Serra Sur(S11D)鉄鉱石プロジェクト(Carajas州)の推進に力を入れている。Valeの2013年の生産量は、鉄鉱石が、2012年の3.12億tを下回る3.06億t(前年比2%減)、石炭が12.4百万t(同25%減)、ニッケル260千t(同13%減)となるが、銅とリン鉱石は増産される見込みである。
