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ニュース・フラッシュ

鉱種:
パラジウム レアメタル
2012年12月3日 モスクワ 大木雅文

ロシア:ゴフラン、2013年国際市場へのパラジウム供給中止の可能性―Johnson Matthey見解

 2012年11月14日付け現地報道では、ロシア国家貴金属・宝石備蓄機関(ゴフラン)について、2013年、国際市場へのパラジウム供給を中止する可能性がある旨、Johnson Matthey(JM)駐露代表のミハイル・ピスクロフ氏が伝えている。同代表は「ゴフランによる来年の供給は極少もしくは皆無となる」と述べた。
 JMのレビューによると、2012年実績について、ロシア国家備蓄からのパラジウム供給は過去の水準に比べ著しい減少が予想される。ゴフランのパラジウム売却量は2011年の24.1 tに対し、2012年は7.8 tとなっている。
 また、国家備蓄からの売却を補完するのはロシアの採掘企業による供給であるが、Norilsk Nickel(本社:モスクワ市)の2012年の予測を踏まえると、ロシアにおける精練パラジウムの生産は4%減の80.9 tとなる見込みである。
 一方、需要については、2012年の自動車触媒用のパラジウム買付量は前年比7%増の201.6 tという記録的数字が見込まれるが、その要因は世界の自動車生産、主として日本及び米国市場におけるガソリンエンジン車の生産拡大である。また工業需要は3%減の75 t、投資需要は12 t、宝飾産業による需要は11%減の14 tと見込まれている。

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