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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2012年12月4日 調査部 渡邉美和

中国:鉛蓄電池、3大消費分野の分析

 現地報道によると、哈尓濱(ハルピン)工業大学の胡信国教授は、2012年11月29日に開催された第2回全国鉛蓄電池新技術検討会の席上、「産業参入条件下での中国の鉛蓄電池の発展方向」と題する報告を行った。この中で、同教授は、昨年(2011年)の中国の多鉛蓄電池販売量は1.4億kVAh(注;下記3分野の合計値より小さいが報道のママ)、国際機構の推計による2017年の中国の鉛蓄電池の販売量は2.4億kVAhに達するとの見方を示した。また、中国の鉛蓄電池の3大消費分野について、以下のように分析している。

① 電動自転車分野:

昨年(2011年)の電動自転車の販売量は3,000万台以上に達し、その97%以上はまだ鉛蓄電池を搭載している。関係機関の統計によれば、現在の中国全体での電動自転車保有台数は1.4億台となっている。新規販売及び取り換えによるこの分野での鉛蓄電池市場は5,600万kVAhである。

② 自動車分野:

自動車起動用の電池は猛烈な発展を遂げている。昨年(2011年)の自動車生産量は1,850万台になり、全国保有台数は1億台を越え、世界一の自動車販売大国となっている。輸出に加え、自動車用の新規及び取り換えの鉛蓄電池市場は5,300万kVAhで電動自転車用途と並んでいる。

③ 工業電池分野:

通信設備電源や風力太陽などの蓄電に用いられる分野で、この分野の蓄電池メーカーは供給が需要に追い付かず生産が間に合わない状況すらある。主に近年の通信設備増強の急速な発展によるもので、それに加え交換時期の到来に伴う更新需要も大きい。この1~2年での鉛蓄電池需要も大きく躍進すると見られ、年間需要は約4,000万kVAhと見られる。

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