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ニュース・フラッシュ

2012年12月28日 リマ 岨中真洋

ベネズエラ:Maplecroft社アナリスト、ベネズエラの鉱業投資環境を語る

 2012年12月21日付け業界紙は、英国のリスク評価会社Maplecroft社のアナリストによる、ベネズエラにおける鉱山企業のリスクについての見解を伝えた。
 同アナリストは、アルゼンチンやペルーにおける利害者の絡む社会争議などの諸問題は、他の南米諸国にも共通して見られるが、ベネズエラの場合、ほとんど全ての問題が政治的なものであり、資源ナショナリズムのリスクが非常に高くなっており、ここ数年において、鉱業を始めとする様々なセクターにおける国有化の実施を挙げ、最近のAnglo AmericanのLoma de Niquel鉱山からの撤退は、ベネズエラで鉱物の採掘を行おうとする実質的に最後の外国民間企業が、国を去った象徴的な出来事であるとした。
 更に、ベネズエラでは政府に資産を接収される可能性が高く、税制においても利益の多くを国家に納めることが定められており、企業にとって非常に不利な内容となっているため、ベネズエラに対する投資を検討する西欧諸国の企業は存在せず、投資額そのものが減少してきていると語った。
 同アナリストは、ベネズエラに対する鉱業投資の現状は、政府による鉱山企業への対応や鉱業に関する将来的な戦略や政策を反映したもので、反鉱業運動等によるものではない。2012年10月に再選を果たしたChavez大統領は、鉱業を含む基礎戦略セクターにおけるナショナリズムをより一層強化・加速する意欲を見せていると述べた。

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