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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2013年1月25日 調査部 渡邉美和

中国:2012年の非鉄金属産業の物流コスト分析

 現地報道は、中国非鉄金属産業の物流費に関する分析を掲載した。これによると、2011年の10種非鉄金属の生産量は合計で3,438.29万tで、前年比9.8%増加した。増加幅は前年比落ちたものの、依然として高い成長を有している。また、輸出入額も1,606.77億US$となり、前年比28.1%の増加である。

 非鉄金属産業の物流構造を見てみると、生産は主に西部内陸に集中し、消費の多くは東南部の沿海が多い。このため原料や生産品に関して大規模な物流が必要となるとしている。

 2011年にアルミナ等のプロジェクトの西部開発がすすめられ、物流は一層増加した。ある調査によれば、2011年の中国の非鉄金属産業全体の物流費は3.5兆元(注;原文は「3.5万億」)に達し、企業の貨物運輸量は前年比40%以上増加した。物流規模は膨大である。また、2011年の非鉄金属産業の物流コストの内、運送費は明らかに増加を見せ前年25.9%の増加となっている。これには2つの要因があり、一つはディーゼル油の価格上昇であり、もう一つは非鉄金属産業の物流が主に鉄道を主とし自動車を補助としている構造にある。鉄道輸送の物流コストは過去の矛盾を抱えていて高い。また、物流コストの内、金利負担も大幅に上昇し4割も増加を見せている。配送・流通化工・包装コストも前年比44.4%増加し、管理コストも23.9%の増加となっている。2011年の物流コスト率は7.4%である。これは日本の非鉄金属製錬・圧延加工産業の6.1%と比べると1.3ポイント高い。

 なお、物流コストの内訳は、添付された図から読み取ると、運送費用57.2%、倉庫費用3.2%、金利12.8%、配送・流通化工・包装コスト17.3%、管理費用8.4%、その他1.1%とのことである。

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