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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2013年1月28日 リマ 岨中真洋

ペルー:Cañariaco銅プロジェクト地域住民、抗議運動開始

2013年1月21日~24日付け地元各紙によると、2013年1月19日、地域住民らによる反対が表明されているCañariaco銅プロジェクト(Lambayeque県)を巡って、Candente Copper社(本社:カナダ)及び地元のCañaris村の相互理解を深めるための開発協議会がChiclayo(Lambayeque県庁所在地)に設置された。 しかし、2013年1月20日、Cañariaco銅プロジェクトの地元Cañaris村では、500人あまりの農民とその家族が無期限抗議行動を開始し、同プロジェクトのキャンプ場周辺では約80名の警官隊が警備体制を敷いた。住民らは、政府によるプロジェクトの中止決定を求めており、政府による開発協議会が地元Cañaris村ではなくChiclayoに設置されたことに対する不満を表明した。今後、住民らは同プロジェクトの現場に向けてデモ行進する計画である。 2013年1月21日午後、San Juan de Cañaris農民コミュニティの住人ら約千名がCañariaco銅プロジェクトの現場に到着、プロジェクト敷地内に侵入しようとしたが、警官隊はこれを阻止した。住民らは、政府がCandente Copper社の立ち退きを決定しない限り、対話には応じないとの姿勢を示した。一方でLambayeque県のMillones知事は、平静と暴力行為の回避を呼びかけると共に、住民には持論を主張する権利はあるが未成年者を抗議行動に参加させているのは残念なことであるとコメントした。 2013年1月22日、警官隊は、Cañariaco銅プロジェクト入口付近に集結していた住民らに対し、催涙ガス等を用いた強制排除を実施した。Cañaris村のRodriguez村議会議員は、警察による実力行使は遺憾だとし、水源を守るのは住民にとって当然の権利だとの考えを示した。 2013年1月23日の報道によると、一連の出来事に関してCandente Copper社のBernuy探鉱部長が談話を発表し、暴力的な事件の発生を遺憾であるとした。同部長は、プロジェクトでは現在も2台のボーリング掘削機を使った探鉱を実施しているとし、1週間の交代制で140名の労働者がプロジェクトに参加していること、総勢600名の労働者全員が地元Cañaris村の住民であること等を述べた。さらに、Cañariaco銅プロジェクトは現在探鉱段階にあり、Minas Conga金プロジェクトのようなステージの進んだプロジェクトではないこと、また、地元のコーヒー農家等に対する支援等も実施していると説明した。その上で、抗議活動に関しては、対話の呼びかけに一度も応じたことのないBarriosコミュニティ代表を批判したほか、この抗議運動に関してペルー共産党やテログループの存在にも言及した。

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