ニュース・フラッシュ
2013年1月28日
ロンドン
小嶋吉広
南ア:改正鉱業法案に対し批判が続出
2012年12月7日に閣議決定され、現在パブリックコメント受付中の改正鉱業法案(Minerals and Petroleum Resources Development ACT(MPRDA))に関し、鉱業投資を阻害するおそれがあるとして専門家が批判をしている。今回の改正はそもそも、現行法での行政の裁量による不確実性を低減することを目的としていたが、改正案ではさらに行政の裁量が拡大し、投資家にとって不確実性が一層増幅されていると専門家は指摘している。例えば、国内産業高度化に向け、鉱物資源大臣が国内への鉱石販売量や価格を設定できる点に関し、改正案では具体的な基準が明示されておらず、大臣の裁量で決定することができるとされている。また、重要鉱種(”Designated Minerals”)に指定された場合、輸出に際し大臣の同意が必要となるが、重要鉱種の具体的内容について改正法案では何ら言及されていない。
さらに、鉱業権を保有する上場企業の株式譲渡に関し、改正案では例外を認めずに全ての取引に対し事前に大臣の許可を取得することとしており、本規制は鉱山会社の資金調達に支障を来すおそれがあるとしている。
このように今回の改正内容は国家の資源管理を強化し、行政の裁量が拡大された内容となっているため、「シャバング鉱物資源大臣が指向する方向性と逆行している」や、「改正ではなく改悪である」と批判するメディアもある。
パブリックコメントの最終的な締切り(2月8日)に向け、今後さらなる議論が予想される。
