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ロシア:エレゲスト炭田、開発生産ライセンスが剥奪され公開入札
1月21日付け及び28日付け現地報道等によると、2012年12月29日をもって、EPK(Yenisei Industrial Company)が保有していたエレゲスト炭田開発生産ライセンスが剥奪され、同ライセンスは改めて2013年4月に公開入札にかけられることとなった。EPK社はPPPベースでの鉄道建設への融資義務を遂行せず、また炭田開発作業もスケジュールから大幅に遅れており、昨年9月には種々の違反を指摘され、12月13日までにこれら問題を解消する義務を負っていた。応札締め切りは2月22日で、外国企業も参加可能。4月26日に入札が実施される。一時支払い金額は、5億4,783.5万ルーブル、ライセンス期間は20年。同炭田は、高品質のコークス用石炭登録済み埋蔵量(2012年1月1日時点)は、A+B+C1カテゴリーで7億7,571.8万t。
エレゲスト炭田の開発ライセンス取得に関しては、2012年末、バイサーロフ氏が関心を示している。同氏は、同炭田をシベリア鉄道幹線とつなぐ、クィズィル・クラギノからの鉄道(注1)建設プロジェクトに投資する意向を示している他、2015年までにワニノ港での石炭ターミナル(注2)を建設する計画で、後者に関して1月21日、同氏が会長を務めるTuva Energy & Industrial Corporationと、極東発展省の協力協定調印式が行われた。バイサーロフ氏は、さらにタンカー購入も計画しているという。
2011年6月にRussian Copper Companyの共同オーナーであるバイサーロフ氏とアルトゥシキン氏が対等シェアでEPK社100%株を元上院議員であるプガチョフ氏から買収することで合意されていたが、同年末に、EPK社に600億ルーブル以上の隠し債務があることが発覚し、株の売買契約は2012年2月に破棄された。
(注1) トゥヴァ共和国内で初となる鉄道。総延長402 km、第1段階の建設費用は約1,500億ルーブルで、年間1,500万tの輸送能力を実現。第2段階で2,700万tまで増強する計画。
(注2) ブルヌィ岬地域で、ワニノ海運貿易港に隣接、SUEKの石炭ターミナル近くに建設予定。処理能力年間1,500万t、建設費用120億ルーブル。
