ニュース・フラッシュ
2013年2月22日
北京
篠田邦彦
中国:重金属産業も環境汚染強制責任保険への加入を義務付け
安泰科によれば、中国環境保護部からの情報によると、同部は中国保険監督管理委員会と共同で「環境汚染強制責任保険の試行に関する指導意見」(以下「指導意見」と略称する)を発表した。重金属産業、石油化学などの環境への影響リスクが大きい企業に対する試行を進める。それと同時に、環境保護部によれば、同保険に加入しなかった企業は、環境アセスメント審査、建設プロジェクト完了の際の環境保護検収、強制グリーン生産の審査、汚染物排出許可証の発行審査、上場するための環境保全審査で影響を受けることになる。
これは、中国2部署が初めて重金属や石油化学企業に環境汚染強制責任保険への加入を義務付けることになる。環境保護部のデータによると、現在国内10数省(自治区・直轄市)で強制保険の試行をし、既に2,000社余りの企業が加入し、保険の引き受け額は200億元近くに達している。
同「指導意見」では、保険に加入する企業範囲を明確にした。そのうち重金属企業、重金属採掘選別企業(随伴共生鉱山が含まれる)、重金属製錬企業、鉛蓄電池メーカー、皮革・皮革製品のメーカー、化学原料・化学製品メーカー等重金属の汚染物資を生産し、排出する企業、また地方政府が独自に対象とする企業も強制加入となる。石油化学や危険化学品、危険廃棄物などの環境への影響リスクが大きい企業も保険への加入を推奨する。
同「指導意見」では、保険に加入していない場合には、環境保護当局は企業向けの環境保護資金申請の受理を停止したり、汚染物質の排出許可などの申請受付に影響するとしている。保険に加入していない企業の情報を金融機構に顧客評価、信用評価の参考として報告する。
