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ニュース・フラッシュ

2013年2月27日 調査部 渡邉美和

中国:黒竜江省伊春の鹿鳴モリブデン鉱山建設現況

 現地メディアは黒竜江省伊春市のモリブデン鉱山建設現場訪問を次のように報道した。

 黒竜江省伊春の鉄力市から50 kmほど離れたところに鹿鳴モリブデン鉱山有限公司がある。この鉱山の建設に当たって、鉄力林野局はそれまで存在していた鹿鳴、興安、豊林の3林業現場の800戸余りを移転させ、新たに鹿鳴という小さな鎮を成立させている。

 開発が進められている面積は4.6 ㎢で、モリブデン鉱石8.14億t、同金属量として75.18万tの精測資源量がある。またこれとは別に低品位鉱として鉱石量1.88億t,モリブデン金属量8.6万tを有している。単体のモリブデン鉱山の規模としては中国で最も大きい。このプロジェクトへの計画投資額は100億元で、設計では鉱石処理量は年間で1,500万t、生産開始後のモリブデン精鉱の生産量は2.25万tとなっている。現在、既に採鉱施設や選鉱工場、給排水や供熱システムは完成し試運転が開始されている。また、ボールミル、鉱石破砕機、変電設備そして管理事務棟なども完成している。また世界最大の総容量320 ㎥の浮選機も設置が完了した。坑道は傾斜12°の斜坑で、採掘現場は、地表下140 mに位置する。鉱石は、地表下47 mに設置した破砕機へ運ばれる。

 建設責任者の張利介によれば、国外なら8~10年かかるだろうこのような大型鉱山プロジェクトだが、3~5年の期間で完成できるとのこと。2010年春に初期設計が開始され、2013年8月には一部で試験生産が始まり、2013年末には製品出荷できる計画である。

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