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ニュース・フラッシュ

鉱種:
チタン レアメタル
2013年2月27日 調査部 渡邉美和

中国:世界のチタン展伸材産業の発展動向

 最近の現地メディアは世界のチタン展伸材産業の今後の動向について、次のように報じた。

 展伸材として用いられるチタンには純チタンと合金がある。チタン合金は高い比強度や抗腐食性そして軽量さなどから理想的な航空機材料であり、合金は航空機産業とともに発展してきた。その始まりは1954年に米国で開発されたTi-6Al-4V合金であり、現在もこの系統の合金が主流である。

 2010年からスポンジチタンの世界の生産量は回復を見せ、2011年の世界のスポンジチタン生産量は20.6万tとなり、前年比29.2%増加した。中国の生産量は2007年以来世界のトップで2011年では31.6%のシェアとなっている。世界最大のスポンジチタン生産者はカザフのUst-Kamenogorskチタンマグネシウムコンビナートで、年産4.5万t。中国では貴州省の遵義チタン業で年産能力は1.4万tである。

 世界の展伸材生産量は2011年で14.8万tで、前年比32.5%の増加。中国の生産量は世界第1位でシェアは34.4%となっている。

 チタン材の需要は航空機に集中していて、その需要量は全体の約半分を占める。チタン展伸材の世界の商業航空機分野(ただし、中国とロシアを含まず)での消費が占める割合は2011年では42.6%、そして軍用航空機用消費は6.5%であり、商用航空機向け需要は6.4万tとなっている。世界の航空機需要はまだ拡大し、将来20年で新たに3万機の航空機需要増加があるともされている。エアバスA350ではチタン使用量は機体重量の14%を占めるなどの要素から推定すると、将来20年間でのこの分野の航空機用チタン展伸材の需要量は120万tに達する見込みである。年平均成長率を17%とすると、毎年6万tの需要が新増することになる。このほか軍用機需要も大きく、この動向も需要を押し上げることになる。

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