ニュース・フラッシュ
2013年3月15日
サンティアゴ
縫部保徳
チリ:請負労働者問題が顕在化
チリ鉱業において請負業者の問題が顕在化、連日現地メディアで報道されている。生産コストの上昇要因としてエネルギー・消耗品価格の高騰、鉱石品位の低下が注目されてきたが、請負業者のコスト高も原因の1つと見なすべきとCODELCO銅組合連合(FTC)のRaimundo Espinoza会長がコメントしている。請負業者が過剰な労働力を抱え、それが鉱山会社へ悪影響を及ぼすケースが発生しているという。
Escondida鉱山では請負労働者との問題が原因で拡張プロジェクトが約2週間中断、2013年3月14日に再開された。請負労働者が賃上げ、ボーナスを要求し、道路封鎖や投石等のデモを行っていた。このデモの結果、請負会社BSKは破壊行為に関与したとして労働者400名を解雇した。BSK社はEscondida鉱山関係で約4,600名を派遣しており、約10%の労働者が解雇されたことになる。
CODELCOでは現在プロパー職員数が15,000名である一方、請負労働者数は45,000名にのぼる。Andina事業所では当初プロパー職員10名で行っていたメンテナンスを請負業者が50名体制で請け負い、作業員の経験が浅く問題が生じた例もあるという。Espinoza FTC会長は請負業者依存の構造を変革する必要性があると主張、Thomas Keller CODELCO総裁も第三者活用の合理化が重要な課題であると述べている。
