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アルゼンチン:Vale、Río Coloradoカリウムプロジェクト中断を発表
2013年3月11日、ValeはRío Coloradoカリウムプロジェクト(アルゼンチンMendoza州)の中断を発表した。同社はプレスリリースの中で、現在のマクロ経済下ではプロジェクトの経済性が資本配分と価値創出の規律を守るValeの方針に合致しないためと説明した。3月7日には伯亜大統領間で同プロジェクトの問題が話合われる予定であったが、ベネズエラのHugo Chavez大統領の死去により首脳会談はキャンセルされていた。 Río Coloradoカリウムプロジェクトは、鉄道や港湾建設も含んだ投資額62.8億US$とされるアルゼンチンでも最大規模のプロジェクトで現在までに22億US$が投下されていた。同プロジェクトは非公式市場の為替レートに連動して動くアルゼンチン国内コストの上昇に対し、国外からの投資資金が条件の悪い公定レートで買い取られるため、大幅なコスト増に苦しんでいたとされる。公定為替レートと非公式レートには現在50%以上の差が生じている。Valeは付加価値税の前倒しでの払い戻しや輸出税免除などを連邦政府に求めていたが、アルゼンチン政府はこれを認めなかった。メディア報道では、投資見積額は当初計画の60億US$から86%超過した110億US$になっていたとされる。 Valeの決定に対し、Julio de Vido企画相やFrancisco Perez州知事(Mendoza)は同社を非難し、鉱業権接収に言及した。また、Perez州知事はValeなしでもプロジェクトを進められると述べた。 Valeは下請業者に建設現場の労働者動員解除を指示し、少なくとも6,000人の労働者の雇用が失われると見られている。Mendoza州では労働者による道路遮断やデモ集会などが発生している。Valeとアルゼンチン政府の3月15日の会合後、企画省と労働省はVale及びその下請企業に対し現状維持を義務付ける強制調停を措置した。その措置の期限は4月11日であり、その間は労働者の解雇はできない。 Río Coloradoカリウムプロジェクトでは、2014年H2より240万t/年の塩化カリウム生産が計画されていた。
