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ニュース・フラッシュ

2013年3月18日 バンクーバー 大北博紀 / 片山弘行

加:Avanti社、Kitsaultモリブデンプロジェクトの早期承認を求める

 2013年2月5日付地元紙等によると、Avanti Mining Inc.(本社:バンクーバー)がKitsaultモリブデンプロジェクトの早期承認を求めていると報じている。

 これは、BC州中部に居住するファーストネーションのNisga’a Nationが、2013年3月13日にKitsaultモリブデンプロジェクトに関して、BC州政府及びカナダ連邦政府に対してNisga’a条約に基づき係争解決手続きを開始したことを発表したことに起因している。

 Nisga’a Nationの発表によれば、Nisga’a Nationと科学者は、BC州環境評価局とカナダ連邦環境評価局により実施された環境評価は、淡水と海洋環境へ流入する重金属の環境影響を未だ適切に評価していないと言う点で見解が一致しており、さらにプロジェクトの影響は鉱山サイトの下流に位置する主要な水系に棲む水生生物のおよそ50%の喪失に及ぶとしている。またNisga’a Nationが食料を収穫しているAlice Arm水系への影響も未知ながら潜在的にはあり得るとしている。Kitsaultプロジェクトに関する経済・社会・文化影響評価書では、鉱山はNisga’aの人々に負の影響を与える可能性があるとしているが、BC州環境評価局から環境大臣に提出された報告書では、プロジェクトはNisga’aの人々の経済的な幸福感に適度な改善をもたらすと結論付けているとしている。

 同社はBC州北西部プリンスルパートの北140 Kmに位置する閉鎖中のKitsaultモリブデン鉱山を再開するために4年間と1,300万C$を費やしているが、先住民政府Nisga’a Lisims Governmentによるこの紛争解決手続き待ちとなっている。

 同社は「Nisga’aの協定の必要条件を満たすために前例のない特別な努力をしたにも係わらず、紛争解決プロセスは未だに議論中である。協定や州の規則には、大臣による30日以内の証明書発行を阻止する条項はない。」と述べている。

 Nisga’aは、間近に迫った5月14日の州議会選挙の影響により、彼らの伝統的な地域に係る承認手続きが急かされることを懸念している。

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