閉じる

ニュース・フラッシュ

2013年3月19日 サンティアゴ 神谷夏実

ブラジル:Vale、新たなカリウムプロジェクトを模索

 メディア報道によると、Valeは、アルゼンチンでのRio Coloradoカリウムプロジェクトからの撤退を発表したが、新たなカリウムプロジェクトを模索している。Valeは、同プロジェクトについて、アルゼンチン政府に税制上の優遇を求めたが断られ、プロジェクトの採算性が低いと判断した。これに対し、アルゼンチン政府は、Valeからの非現実的な免税要求があったとしている。同プロジェクトの初期投資コストは63億US$であるが、Valeはすでに22億US$を投資している。Valeは、現在、Taquari-Vassourasカリウム鉱山(Risario do Catete、Sergip州)でカリウムの生産を行っている。2011年末の埋蔵量は、Taquari-Vassouras鉱山が11.5百万t(カリウム品位28%)、Rio Coloradoプロジェクトが360.8百万t(同34.2%)であり、Valeにとって、Rio Coloradoプロジェクトを失う意味は大きい。Valeは、この他に、Carnalitaプロジェクト(Sergipe州)、Kronauプロジェクト(カナダ)も保有しているが優先度は高くないという。ブラジルは、世界的な、穀物、コーヒー、オレンジジュース、食肉の産地で、肥料需要が急増しているが、カリウム資源の90%を輸入に依存しており、ブラジルにとって安定した肥料原料資源の確保が急務となっている。ブラジルは現在、カリウム原料をカナダ、ヨルダン、ロシアから輸入している。Valeにとって、ブラジル国内での肥料原料生産は、鉄道、港湾等の既存インフラを使えるシナジー効果も期待できる。

ページトップへ