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- 鉄鉱石
ブラジル:Anglo American所有のAmapa鉄鉱石鉱山の港湾施設で崩壊事故
メディア報道によると、3月28日深夜、Anglo Americanが所有する鉄鉱石及びマンガン鉱石積出港(Amapa州Santana)で、積出施設一式が突然崩壊し、作業員6名が行方不明になる事故が起きた。地元テレビでも、設備一式が見る影もなく崩壊している模様が流れた。事故の詳細は不明であるが、報道では、フローティング桟橋を使って鉱石の積み出しを行っていたが、それらすべてが水没したもので、その際の衝撃波で、陸上に設置されていた諸設備も流された可能性があるという。この港湾施設は、Macapa(Amapa州州都)から約20 ㎞離れたSantana地区にあり、2008年にAnglo AmericanがMMX社よりMinas Rio鉄鉱石鉱山を買い取った際、Amapa鉄鉱石鉱山及び付属の港湾施設も一緒に買い取ったものである。2012年のAmapa鉱山の生産量は7.2百万tであり、ペレット及びシンターフィードを生産している。しかし、その後、Anglo Americanは、Minas Rio鉱山の開発に集中投資し、Amapa鉱山をノンコア事業と位置づけたため、2013年1月に70%の権益をZamin Ferrous社に売却することで合意が成立し、現在ブラジル政府アンチトラスト監視機関の承認待ちの状態となっている。Zamin Ferrous社は、ブラジル、ウルグアイを中心に鉄鉱石開発を行っており、Zamapa鉄鉱石鉱山(Amapa州)、Susa鉄鉱石鉱山(Rio Grande do Norte州)を操業している。Minas Rio鉄鉱石鉱山の開発では、送電施設建設や環境許認可の遅れから、開発コストが80億US$超えにまで上昇し、Carol社長の進退問題にまで発展したばかりであるが、今回の事故はこれに追い打ちをかけるもので、今後のAnglo Americanのブラジルでの投資活動に与える影響が懸念される。