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ニュース・フラッシュ

2013年7月29日 ロンドン 小嶋吉広

タンザニア: 南部開発計画の状況

 タンザニア南部は北部に比べこれまで経済開発が遅れていたが、最近では資源開発のフロンティア地域として注目され始めており、中国の四川宏達股份有限公司(Sichuan Hongda)によるLiganga鉄鉱石鉱山やMchuchima石炭鉱山の開発が現在進行中である。両プロジェクトは2011年9月に同社がタンザニア国家開発公社(NDC:National Development Corp.)との間で30億US$の投資について合意し、同社がプロジェクト会社(Tanzania China International Resources Ltd.)の権益80%を取得。残りの20%はNDCが保有している。計画では、採掘された石炭を利用し、600MWの石炭火力発電所をMtwara港に建設することとなっている。

 タンザニア政府としても南部開発の一環としてMtwara回廊開発計画を推進しているところ、2013年7月22日付けメディア報道によれば、南部地域を訪問したPinda首相は南部内陸部とMtwara港を結ぶ鉄道は鉄鉱石や石炭の搬出にとって不可欠であるとコメントするものの、実際の鉄道建設に関しては現在関係省庁によってプロポーザル作成中とのことであり、鉄道建設が遅延している模様である。これによりLiganda鉄鉱石鉱山とMchuchima石炭鉱山の今後の開発計画も影響を受ける可能性がある。

 タンザニア政府はまた、現在沖合で探鉱が進められているガス田に対しても大きな期待を寄せており、ガス田開発が具体化した場合には、LNGや肥料プラント、セメント工場等を建設する他、Mtwara港に経済特別区(Free Port Zone)を整備することも計画している。

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