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鉱種:
パラジウム レアメタル
2013年9月2日 モスクワ 木原栄治

ロシア:Norilsk Nickel社、パラジウムの売り込み強化

 2013年8月22日付け地元報道によると、Norilsk Nickel社(本社:モスクワ市)の取締役会において、国際市場へのパラジウム売り込み計画が承認された。パラジウムは同社の2012年における売上高の14.27%を占める主力商品であり、プラチナ価格が1,520 US$/ozである中、プラチナ代替品のパラジウム価格が749 US$/ozにとどまっていることから、同社はパラジウムが過少評価されていると考えている。このため、同社では、宝飾品メーカーや自動車メーカーのパラジウム需要を拡大し、国際市場におけるパラジウムの関心を高めることを検討している。

 同社の取締役会では、世界でのパラジウム市場でのシェア拡大に向け、世界的なマーケティング・コンサルタントの起用が検討され、第4四半期に発表される新戦略の策定に当該コンサルタントが参加する方向となった。

 Investcafe社のアンドレイ・シェンク氏は、「Norilsk Nickel社はニッケル価格(売上の約43.29%)の影響を抑えるため、事業の多角化を図っている。ニッケルと銅は多くの投資家が大量に在庫を抱えているため原価割れする恐れがある。パラジウムへ集中する戦略は長期的にはNorilsk Nickel社にとって望ましいが、そのための投資(年間20億US$を予定)と配当(2012~2014年に90億US$を予定)を考慮すると、大規模なマーケティング費用を捻出するのは難しいだろう。」と述べている。

 また、BCS社のオレグ・ペトロパヴロフスキー氏は、「パラジウムはプラチナ代替品として、自動車触媒で最も使用されている。パラジウムは徐々に自動車市場を獲得しつつあり、1997年にはガソリン触媒の95%がプラチナであったが、現在は80%となっている。Norilsk Nickel社が世界中の自動車メーカーにパラジウムを売り込むためには、長期的取り組みが必要だろう。」と分析している。

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