ニュース・フラッシュ
2013年10月14日
メキシコ
縄田俊之
コスタリカ:加Infinito Gold社、コスタリカ政府に10.9億US$の賠償請求
2013年10月7日付け業界紙等によると、加Infinito Gold社(本社:カルガリー)は、コスタリカに保有するCrucitas金プロジェクトに関し、世銀の投資紛争解決国際センター(ICSID)を通じコスタリカ政府に対して10.9億US$の賠償請求の訴えを起こした。
この背景として、2008年2月にコスタリカ環境エネルギー通信省地質鉱山部は、同社の現地法人であるIndustrias Infinito(IISA)社を通じ同プロジェクトの採掘権を付与したが、2011年11月にコスタリカ議会が露天掘による鉱山開発を禁止する鉱業法改正案を可決すると、同年11月に国家管理高等裁判所が同プロジェクトの採掘権を取り消す裁定を下し、その後、最高裁での上告棄却や、カナダ・コスタリカ2国間貿易協定に基づく交渉等が行われた経緯を有する。
コスタリカ政府は、Infinito Gold社への採掘権の付与において不正行為があったことや、同プロジェクトを公共の利益に即したプロジェクトであると宣言するには技術的な基盤が希薄であることを説明した。
一方、同社は、ICSIDへの仲裁は避けることができたにもかかわらず、今後、コスタリカ政府と同社は非常に長期に亘る裁判と、歴史上最も莫大な賠償額の国際訴訟に直面することを残念に思う旨表明した。
なお、René Castro環境大臣によると、露天掘による鉱山開発を禁止する法律は有効であり、また、本件に関しては、環境エネルギー通信省(MINAE)及び外国貿易省(COMEX)は法的及び経済的観点から今後政府を弁護していく旨説明した。
