ニュース・フラッシュ
2015年1月30日
バンクーバー
山路法宏
加:Mount Polley鉱滓ダム決壊に関して専門家パネルが事故調査報告書を公表
2015年1月30日、BC州Mount Polley鉱山での鉱滓ダム決壊事故に関する調査を行っていた専門家パネルは事故原因の評価結果を発表し、決壊はダムの基礎岩盤のせん断破壊に伴って発生したものであり、ダムの設計上の不備が決壊事故の主な原因と結論付けた。当該調査報告書はBC州エネルギー鉱山省と2つのファーストネーションに提出された。
専門家パネルが実施した調査は、決壊要因として、「人的要因、越流(overtopping)・浸食、パイピング・クラッキング、基礎の崩壊」の4種類について検証を行った。その結果、決壊した部分の痕跡は、ダムの基礎岩盤中の氷河湖成層(Glaciolacustrine Layer)で発生したせん断破壊が原因であることを示しており、氷河下または氷河期前の地質環境の複雑性を十分に考慮していない設計上のミスにより発生したと結論付けた。その上で、今後同様の事故を発生させないための方策として以下の7つの改善策を提言している。
① 利用可能な最善の技術の実装の段階的導入
② コーポレートガバナンスの改善
③ 企業の設計責任の拡大
④ 鉱滓ダムの全段階における安全性の検証と規制の強化
⑤ 現行規制業務の強化
⑥ 専門職的実施の改善
⑦ ダム安全指針の改善
本報告を受け、BC州政府は鉱滓ダムを保有する全ての操業鉱山に対して、2015年6月30日までに基礎岩盤に関する同様の問題についての報告を求め、また全鉱山に対して独立した第三者による鉱滓ダム評価委員会(Independent Tailings Dam Review Boards)の設置を求める考えを明らかにした。


