メキシコ：Grupo México社Buenavista銅鉱山の鉱山労働者を解雇へ

2015年5月14日付け業界紙等によると、メキシコ労働組合連合(CTM)は、Grupo México社の子会社Southern Copper社がSonora州で操業しているBuenavista銅鉱山に関し、本年5月初旬に開催された労働組合総会で、鉱山労働者への分配金に関する協議において反対を表明した鉱山労働者30名を解雇する方向で交渉を行った旨を明らかにした。
CTM同州支部長によると、同社は、同鉱山と労働協約を締結した労働組合に加盟する鉱山労働者約1,400名に対し労働者分配金として180千～220千ペソ/人を支給したが、そのうち30名が支給額を不服として協議を拒絶した。これら鉱山労働者が支給額を不服とした理由は、そもそも同鉱山とは全く関係がない第三者に対し労働者分配金として500千ペソを支給すると言う不可解な事例が見受けられたためとしているが、実際には国際銅市況が25～30 ％程度下落したため、当該支給は不能となった。一方、当該分配金の支給に不満を示した一部の鉱山労働者は、同鉱山が所在する地域のCTM地方委員会の委員に対し、委員解任の要求を行うことも検討したようであるが、分配金の支給に関する不正を明らかにすることができなかったこと、また、当該支給額はメキシコ国内における他の企業の支給額と比べても多額であることから、当該支給額を受給することとなった。
なお、CTMは、分配金の支給が妥当であったことを示すため、税務当局(SAT)に対し正式に監査を要請するための申請手続きを開始した。