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- 鉱種:
- 銅 ベースメタル
メキシコ:Grupo México社、Buenavista銅鉱山への暴力的抗議活動に対し元労働組合リーダーを提訴
2015年6月10日付け業界紙等によると、Grupo México社は、子会社Southern Copper社がSonora州で操業しているBuenavista銅鉱山に対する暴力的抗議活動に関し、同活動を組織するメキシコ最大の鉱業労働組合の元リーダーを提訴した旨を明らかにした。
同社によると、本年6月2日以降メキシコ鉱山冶金労働組合(SNTMMSSRM)の元メンバーは、同鉱山へ通じる3つのアクセス道を封鎖し、施設や鉱山車両に対し放火を行ったほか、施設を警備する警備員や警察官に対しても怪我を負わす等暴力活動を行った。また、同鉱山の地下水汲み上げ施設に対しては90日以上にわたって違法封鎖しているが、これら一連の活動はSNTMMSSRMの元リーダーであるNapoleón Gomez Urrutia氏の命令による。このほかにも、同氏は、昨年8月に同鉱山において発生した銅浸出液流出事故に関し、既にGrupo México社は同事故によって影響を受けた住民への被害や周辺環境に対する被害の復旧等のために鉱業関係当局が管理する信託基金へ20億ペソ(151百万 US$)を拠出したにもかかわらず、同鉱山に対する周辺住民の抗議活動を煽動したため、同社は本件を含め同氏を提訴する。
なお、同社とSNTMMSSRMの紛争に関しては、労組協調契約及び鉱山保安衛生改善に係わる労使交渉決裂により、2007年7月から同社がSonora州に保有するCananea銅鉱山(現Buenavista銅鉱山)、Zacatecas州に保有するSan Martin多金属鉱山及びGuerrero州に保有するTaxco多金属鉱山において無期限のストライキに突入。また、2006年当時SNTMMSSRM委員長であった同氏が、同組合が組合員に支払うべきCananea銅鉱山の権益売却費55百万 US$を横領した事実が判明しカナダに逃亡、現在もカナダにおいて同組合を実質的に支配(帰国した場合、同組合の一部有志が設立したメキシコ全国鉱業連盟等のグループの提訴により、横領罪で逮捕される可能性を有す。なお、一説には既に帰国しているとの噂もあり)。また、2010年にCananea銅鉱山では、警察及び軍隊が同鉱山を封鎖していた組合員を合法的に強制排除するとともに、同社は同鉱山の運営会社として新たにSouthern Copper社を子会社として設立し、鉱山名を現在のBuenavista銅鉱山に変更し操業を再開した経緯を有す。