ニュース・フラッシュ
2015年6月15日
シドニー
山下宜範
豪:QLD州、廃止鉱山跡地の水処理や立坑充填等の事業を強化:2016/17年度予算案
2016年6月14日、QLD州政府は同州の2016/17年度予算案を発表した。このうち天然資源鉱山省の予算額は4億5,670万A$であり、前年度と比べて430万A$の増額となった。この増額の要因の一つは廃止鉱山跡地プログラム(Abandoned Mine Lands Program)の実施によるものである。
同プログラムは廃止鉱山跡地に溜まった水の処理や立坑の充填等の公共の安全性の向上を図るための事業を実施するものである。同省のAnthony Lynham大臣によれば、このような廃止鉱山跡地のリスク管理に係る事業はこれまで年間600万A$をかけて実施されてきた。今回発表された予算案ではこれを増強し、同プログラムに今後5年間で計4,200万A$を配分することとし、初年度の2016/17年度には830万A$が配分されている。
同大臣によれば、現在QLD州には15,000箇所以上の廃止鉱山跡地が確認されており、うち3,500箇所が州所有地にある。これらの跡地の多くは極めて小規模であるが、数百箇所の中規模又は大規模の跡地も存在している。このうち最大のものはQLD州中央部のRockhamptonの南西32㎞に位置するかつてのMount Morgan金鉱山の 跡地である。今回発表された同プログラムの優先事業の例として、Mount Morgan金鉱山などの大規模な跡地の管理、かつての歴史的な金採掘の町であるCharters TowersやGympie等における立坑跡の修繕事業等が挙げられている。