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ロシア:欧州委員会、ロシア製アルミ箔に対する暫定アンチダンピング措置を実施
2015年7月7日付け地元報道等によると、欧州委員会は7月4日、ロシア製のロール状アルミ箔(厚さ0.008ミリメートル以上0.018ミリメートル以下(8マイクロメートル以上18マイクロメートル以下)、幅650ミリメートル以下、重さ10kg以上)に対し、12.2 %の暫定アンチダンピング税の賦課を開始した。暫定措置期間は半年で、その後の措置はアンチダンピング調査の結果で決まる。同調査は、欧州のアルミ箔生産者5社による2014年10月の申立てにより開始された。申立てでは、欧州市場におけるロシア製アルミ箔販売のダンピング・マージンは34 %に達するとされている。アンチダンピング暫定措置は、廉価なロシア製品が欧州の生産者に与えていると見られる損害の拡大を阻止する目的で決定された。
ロシア唯一のアルミ箔生産者はRusal社で、生産は傘下の2社(SAYANAL、Urals Foil)で行われている。この他、Rusal社傘下の箔圧延プラントとしては、ARMENAL(アルメニア)、家庭用アルミ箔製造のSayana Foilがある。
Rusal社の2014年のアルミ箔生産量は8万8,000 tで、うち6万t以上が国内プラントによるものである。同社のアルミ箔の3分の1以上が国内市場向けであり、2014年の同社の国内市場シェアは40~50 %、残りは主に中国、ドイツからの輸入である。約4万tのロシア製アルミ箔が主にEUと米国に輸出された。EU諸国への年間輸出量は2万tで、大幅な増加は近年見られない。
Rusal社はアルミ箔輸出の品揃え拡充を目指しており、2014年は、食品容器用アルミ箔の米国向け輸出など、家庭用アルミ箔が目立った。また同社はSAYANALにおいて、国内外企業向けに、食品産業用を含む特殊包装用のアルミ箔新製品を生産している。
