ニュース・フラッシュ
2015年7月20日
メキシコ
縄田俊之
メキシコ:メキシコ国立自治大学、レアアース探鉱の拡大を計画
2015年7月13日付け業界紙等によると、メキシコ国立自治大学(UNAM)の物理科学研究所は、Coahuila州、Sinaloa州及びOaxaca州におけるレアアース探鉱の成功を踏まえ、本年9月からレアアース探鉱の第2弾を実施する旨を明らかにした。
同研究所のLorenzo Martínezプロジェクトマネージャーによると、同研究所ではこれまでにレアアースの採掘ポテンシャルを有する箇所として90か所を発見したが、第2弾となる探鉱ではメキシコ全土において200か所以上の発見が期待できる。メキシコの鉱業生産に関しては、多くの従来からの鉱物資源において、例えば鉄のように生産量が縮小する傾向が見られるため、新たなオプション(鉱物資源)を模索する必要がある。その際、鉄のように多くの埋蔵量を必要とする鉱物資源ではなく、ニッチ市場ではあるがハイテクに使用される高付加価値を有する金属がターゲットになる。レアアースは、最近2年間における金属市況で50 %も下落した鉱物資源とは異なり安定した市況を維持しており、世界的に見ても希少鉱物であるが故に、トン当たりの精鉱取引も1~2百万US$の相場となる場合がある。また、自動車やエネルギー分野での使用の増加により、戦略的な投資が期待できる。特に持続可能なエネルギー(再生可能エネルギー)分野においては、レアアースの活用が高まる。
なお、本レアアース探鉱は、エネルギー省とメキシコ国家科学技術審議会(CONACYT)とにより創設された持続可能エネルギー基金から、これまでの3年間に交付された30百万 MXN(ペソ)により実施されているが、現在同研究所は、本レアアース探鉱を継続するため、当該基金からの資金交付獲得のための交渉を行っている。