ニュース・フラッシュ
2015年7月24日
リマ
迫田昌敏
ペルー:公的仲裁機関が休廃止鉱山等に対し環境配慮を要請
2015年7月16日付け地元紙各紙によると、ペルーの公的仲裁機関である市民オンブズマンは、現在ペルー国内には8,616カ所の休廃止金属鉱山鉱害(PAM)が存在し、そのうち4,281ヵ所が高リスクであると報告した。また、7,531ヵ所のPAMについては発生責任者が未特定のほか、61ヵ所については、責任者が特定されているにも関わらず鉱区を保有し続けていることに触れ、休廃止鉱山鉱害対策を行わない責任者は、鉱区を失効させ、新たな鉱区の付与も許可されない制度を作るべきだとの見解を示した。
一方、石油・天然ガス関連ではPAMに相当する鉱害156ヵ所のうち72ヵ所が高リスクであるほか、2002年時の調査で放置状態の石油坑井6,065本が確認されているにも関わらず、発生責任者の特定は全く行われていない旨報告した。
その上で市民オンブズマンは、鉱業石油エネルギー協会(SNMPE)に対し、一部企業による過失が業界全体の評価につながることがないよう、会員企業へ環境配慮の呼びかけを要請した。さらに国会に対しては、景気対策として導入された法律No.30230のうち、環境評価監査局(OEFA)による鉱業・エネルギー業に対する罰金額を今後3年間、本来適用される罰金額の50 %以下に縮小することなど、環境規制の緩和を定めている第19条の廃止を申請した。