ニュース・フラッシュ
2015年8月24日
メキシコ
縄田俊之
メキシコ:貴金属鉱業企業、国際貴金属市況の低迷による売上高ダウンを生産量で補う
2015年8月19日付け業界紙等によると、メキシコで活動する貴金属鉱業企業は、国際貴金属市況の低迷による売上高ダウンを記録的な金生産量で補っている。
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)の報告によると、本年1~5月におけるメキシコ国内金生産量は、前年同期比11.3 %増の43,475 ㎏であった。また、金融サービス会社のMonex Casa de Bolsa社のアナリストLaura Villanueva氏はINEGIの本報告を踏まえ、貴金属鉱業企業は国際金属市況の下落・低迷への対策として貴金属の生産量を増加させていると分析している。
具体的には、加Goldcorp社の場合、年初において本年の金生産量を前年比20 %増の103 t、その内メキシコのみに特化すると前年比52 %増の30 tとする計画を発表しており、確かに同社のメキシコにおける本年上半期の金生産量及び売上高は、ともに前年同期と比べ20.7 %増であった。また、Minera Frisco社の場合、本年の金生産量を同社としては記録的な15.6 tとする計画を発表したところ、本年上半期の金生産量及び売上高は、ともに前年同期と比べ26 %増、金生産量は6.9 tであった。Peñoles社の貴金属部門の子会社であるFresnillo社の場合、本年7月中旬に本年の金生産量を当初計画から6.6 %増の22.2~22.7 tへと上方修正を行った。