閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2015年8月31日 メキシコ 縄田俊之

メキシコ:メキシコ鉱山冶金労働組合現委員長がカナダ滞在中の前委員長の帰国を要求

 2015年8月22日付け業界紙等によると、メキシコ鉱山冶金労働組合(SNTMMSSRM)のSergio Beltrán現委員長は、本年8月に行われた労働社会保障省の調停によるArcelorMittal México社との労使間交渉合意の発表に際し、今後労働組合と企業との直接交渉を実施するためには現在カナダに滞在するNapoleón Gomez Urrutia前委員長がメキシコへ帰国する必要がある旨を強く主張した。

 この背景として、2006年当時SNTMMSSRMの委員長であったNapoleón Gomez Urrutia氏は、Sonora州に位置するCananea銅鉱山(現在Grupo México社の子会社であるSouthern Copper社が操業するBuenavista銅鉱山)において、当時SNTMMSSRMが組合員に支払うべき同鉱山の権益売却費55百万US$を横領した事実が判明したためカナダへ逃亡、現在もカナダにおいてSNTMMSSRMを実質的に支配していると言われている(帰国した場合、同組合の一部有志が設立したメキシコ全国鉱業連盟等のグループの提訴により、横領罪で逮捕される可能性を有す)。

 現委員長によると、SNTMMSSRM及び同省の代表者は、今回の労使間交渉合意に際し、前委員長の内諾を得るためにカナダへ出向かなければならなかった。今回の調停において発揮された前委員長の知見、経験等を今後の労使間交渉に生かすためには、前委員長がメキシコ国内に所在することが重要である。

ページトップへ