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ニュース・フラッシュ

2015年9月25日 リマ 迫田昌敏

ペルー:鉱業大会中のTia Mariaプロジェクト関連の動き

 ペルーでは2015年9月20日から25日までの予定で第32回鉱業大会がArequipa市において開催されているが、大会期間中、Arequipa州のTia Mariaプロジェクトをめぐる当事者や政府の動きが以下の通り繰り広げられた。

 2015年9月23日付け地元紙によると、Shinno鉱山次官は、Arequipa市でスタートした第32回鉱業大会において、政府は2015年内にTia Maria銅プロジェクト(Arequipa州)における対話交渉を再開する予定である旨明らかにした。エネルギー鉱山省は、本プロジェクトの操業開始は2017年6月となる見込みを示している。一方、Southern Copper社のGonzales社長は、現在同社がArequipa州Islay郡で実施中の周知活動やキャンペーンにより、プロジェクトへの反対勢力は縮小しているとし、年内にプロジェクトを再開したい意向を示した。

 2015年9月23日付け地元紙によると、Arequipa州Isalay郡Tambo渓谷の住民らは、Tia Maria銅プロジェクトに対する72時間の抗議行動を同日開始した。抗議行動はIslay郡内のCocachacra区、Dean Valdivia区、Punta de Bombon区で実施される予定となっている。

 2015年9月24日付け地元紙によると、Southern Copper社のGonzales社長は、第32回鉱業大会で講演を行い、Tia Mariaプロジェクトの実施に向けた対話や共同作業を提案すると共に、もう一度チャンスを与えて欲しいと訴えた。さらに、1,400百万US$の投資が予定される本プロジェクトへの反対運動は、同社による周知活動や社会プログラムの実施により減少しているとしたほか、全ての関係者に裨益する本プロジェクトの開発に政府や地域住民も関心を抱いているとし、政府も現政権期間中のプロジェクト開発を推し進めるだろうとの見方を示した。さらに、プロジェクト開発が実現した場合、Arequipa州には年間61.5百万US$の鉱業Canon税が還付されること、多くの雇用が生み出されること等付け加えた。

 一方Arequipa州のOsorio知事は、他の全ての責任ある鉱業プロジェクトと同様、Tia Mariaプロジェクトは同州にとって重要な案件であるとしたほか、現在同プロジェクトは住民からの信頼を回復するプロセスにあるとの考えを示した。さらに、Arequipa州政府はTambo渓谷における農家からの要望への対応や技術支援等を目的としたTambo特別プロジェクトを開始した旨明らかにし、州政府として農業開発を通じた地域住民の生活の質の向上に取り組む方針を示すと共に、これらの人々やその生活に対する理解を深めることの重要性を訴えた。

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