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ニュース・フラッシュ

2015年9月28日 メキシコ 縄田俊之

グアテマラ:最高裁判所、鉱業ロイヤルティ引き上げを無効とする判決を下す

 2015年9月21日付け業界紙等によると、最高裁判所は、本年1月に施行された鉱業ロイヤルティの10 %への引き上げを無効とする判決を下した。

 最高裁判所は、昨年11月末にグアテマラ議会で可決、承認された通信業界及びセメント業界に対する増税とともに鉱業ロイヤルティの10 %への引き上げに対し、満場一致で無効とする判決を下した。

 この背景としては、租税収入が少ない現状を踏まえ税収確保の観点から検討された鉱業ロイヤルティ引き上げについて、グアテマラ議会における2015年度予算案の審議において同時に審議された税制改革案の中で可決、承認された。これにより、従来のボランタリーなロイヤルティを含む売上高の5 %又は4 %のロイヤルティが10 %へと大幅に引き上げられることとなった。一方、鉱業法や鉱業ロイヤルティを含む関連税制の改正に際しては、通常、事前に関係業界に対し説明や相談が行われるところ、今回の鉱業ロイヤルティ引き上げに関しては、鉱業界は元より所管官庁であるエネルギー鉱山省に対しても事前の説明が無く、議会へ提出され、そのまま可決、承認の運びとなった。これに対し、鉱業界としては今回の一連の手続きは不当である旨政府及びグアテマラ議会へ申し入れるとともに、最高裁判所に対して提訴を行った経緯を有する。

 なお、鉱業ロイヤルティの引き上げに関しては、本年9月3日に汚職に関与した疑惑により辞任したOtto Pérez Molina大統領の政権時代に進められた政策である。

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