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ニュース・フラッシュ

2015年10月12日 メキシコ 縄田俊之

メキシコ:上院議員が自然保護地区における鉱業と環境のバランスについて言及

 2015年10月5日付け業界紙等によると、野党国民行動党(PAN)のSilvia Garza Galvánメキシコ議会上院議員は、メキシコ鉱業は直接及び間接雇用者として1.3百万人の雇用を創出する等メキシコ経済にとって多大な貢献を示す重要な産業部門であるが、鉱業における経済的利益は環境保護の必要性とのバランスを考慮すべきであるとの報告を発表した。

 同上院議員によると、連邦政府令に基づく自然保護地区は177か所で総面積にして25.6百万haに及び、これに自主的な自然保護地区を含めると合計404百万haに達する。鉱業は開発段階、採鉱段階及び閉山段階のそれぞれにおいて環境に対しダメージを与えることから、自然保護地区内での鉱業コンセッションの詳細を知ることは重要である。したがって、貿易・産業委員会において、鉱業コンセッションの詳細を分析する方策を検討する必要がある。

 一方、鉱山や鉱業プロジェクトの一部は、既存又は新たに提案された自然保護地区に位置しており、近年鉱業に対する反対活動が増加している。

 なお現在、環境天然資源省(SEMARNAT)の関係機関であるメキシコ国家自然保護地区委員会(CONANP)が、Zacatecas州北部の2.5百万ha(同州面積の約1/3に相当)を半乾燥砂漠生物圏保護地域として自然保護地区指定の申請を行っているが、当該地区は同国主要金及び銀生産地であり、また、加Goldcorp社(本社:バンクーバー)が保有する同国最大の金鉱山であるPeñasquito多金属鉱山が位置していることから、自然保護地区の指定はメキシコ鉱業に多大な影響を与える可能性を秘めている。

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