メキシコ：メキシコで活動中の鉱業企業、銀生産から金生産へシフト

　2015年10月13日付け業界紙等によると、2012年以降貴金属市況が下落する中、銀市況の下落率が金市況の下落率をはるかに上回る現状を踏まえ、メキシコで活動中の鉱業企業のうち、大手銀生産企業の少なくとも4社は、買収、拡張及び生産オペレーションの変更により、2015年における金生産量を伸ばしている。

　これら4社により金生産量が年間6.2 tの増加となり、そのうち2社ではメキシコでの生産額において金が銀を凌駕するに至った。なお、これら4社の状況は以下のとおり。

◯Fresnillo社

世界最大級の銀生産量を誇るFresnillo社は、Herradura鉱山における金生産量の拡大に加え、米Newmont Mining社とのJV企業であったPenmont社の株式に関しNewmont Mining社が保有する権益44 ％全てを買収したことにより、同社として金生産量を大幅に拡大する。なお、本年における金生産量を22.2～22.7 t、銀生産量を1,400～1,462 tと見込んでおり、同社の生産額における金生産額の割合が52 ％に達する見通しである。

◯米Coeur Mining社

Coeur Mining社に関しても、米Paramount Gold & Silver社の買収により、Palmarejo金・銀鉱山に隣接するParamount Gold & Silver社が保有していたSan Miguel金・銀プロジェクトを開発し、両鉱山の粗鉱をPalmarejo金・銀鉱山で一括処理することで金生産量が増加した。これにより、本年Q3における同社の生産額における金生産額の割合が53.1 ％に達し、昨年同期の50.7 ％と比べ更に金生産額の割合が高まった。

◯加Endeavour Silver社

Endeavour Silver社に関しては、依然として主力鉱種は銀であるが、El Cubo銀鉱山の拡張により、本年の金生産量は従前の0.6～0.7 tから1.0～1.1 tへと増加する。なお、本年Q2における同社の生産額における金生産額の割合は、前年同期の26.5 ％から28.5 ％へと高まった。

◯加 Pan American Silver社

Pan American Silver社は、メキシコで3番目の銀生産量を誇っているが、本年5月にDolores鉱山の拡張が承認されたことにより、年間金生産量が6.4 tへと52 ％増加する見通しである。