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ニュース・フラッシュ

2015年11月6日 リマ 迫田昌敏

ペルー:違法鉱業、政府による取締りの効果見えず

 2015年10月29日付け地元紙によると、トムソン・ロイター社Aranda経済アナリストの分析として、ペルーのMadre de Dios州を中心とする貴金属の違法鉱業生産は、金価格下落や政府による取締り作戦の実施等にも関わらず、ここ数年同じ水準を維持している。

 同氏によれば、2014年におけるペルーの合法的な金の生産量は172 tで、2013年の187 tと比較して減産している一方、違法鉱業における金の生産量は前年までとほぼ同じ水準の35 tだった。合法的な生産量の減少は、埋蔵量減少や金価格下落のほか、社会争議によるCongaプロジェクトの中止等を反映したものとなっている。

 その一方、違法鉱業生産が減少していないのは、現在の市況においても違法鉱業が農業等と比べ利益率が高いことを意味していると警告した。また、2012年から政府が実施している取締り作戦や、ボリビアによるペルー産の違法な金の輸出規制等も効果を表していないとの見方を示した。ペルーにおける違法鉱業従事者は50万人と推定されている。

 さらに、合法的な金鉱山に関して、エルニーニョ現象による雨量の増加により、特に露天掘り開発を行うCajamarca州等の鉱山における生産が今後減少する可能性を指摘した。

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