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ブラジル:Samarco鉄鉱石鉱山の廃さいダム決壊で死者・行方不明者
2015年11月6日付けメディア報道によると、11月5日午後、Samarco鉄鉱石鉱山(Minas Gerais州)の廃さいダムが決壊し、流出した廃さいを含む泥水による被害が発生した。
8日時点で、死者16名、行方不明者45名と伝えるメディアもある。ダムの7キロメートル下流に位置するBento Rodrigues村(人口560名)は、全域が浸水あるいは水没被害を受けたほか、泥水はさらに下流のParacatu de Baixo村へも到達している。
Samarco鉄鉱石鉱山に50:50で出資するValeとBHP Billitonは、鉱山や関係当局とともに被災者支援等の対応にあたっている。鉱山は、廃さいは細粒のシリカを主成分としており、健康を害する化学成分は含まれないとしている。
原因はまだ特定されていなものの、Germano事業所(州都Belo Horizonteから110キロメートルのMariana市近郊)のFundão廃さいダムが決壊し、その結果下流のSantarem廃さいダムも影響を受ける形となった模様。2015年7月にダムを対象とする環境当局の検査が実施されており、安全が確認されていた。サンパウロ大学の地球物理学者は、5日午後、ダム近くでM2.0~2.6の4つの地震を観測したとしているが、決壊の原因と特定するのは時期尚早としている。
Samarco鉱山は2014年第1四半期に4つ目のペレット処理プラントの稼働を開始し(投資額32億US$)、鉄鉱石(ペレット)年間生産能力を22.3百万tから30.5百万tに拡張した。2014年の生産量は26.2百万tで、ValeあるいはBHP Billitonの2014年鉄鉱石生産量全体の4 %あるいは6.4 %にそれぞれ相当する。2014年6月時点での可採年数は39年。
