ニュース・フラッシュ
2015年11月11日
バンクーバー
山路法宏
米:宇宙活動促進法案が連邦議会で可決
2015年11月10日、米国議会上院において、米国市民が獲得した小惑星の資源を所有する権利を認め、小惑星での商業的な探査や資源の回収を可能とする宇宙活動促進法案(Spurring Private Aerospace Competitiveness and Entrepreneurship(SPACE) Act)が全会一致で可決された。人類の経済活動の範囲内において宇宙からの商業的な天然資源の回収を目指して活動しているベンチャー企業Planetary Resourcesは同法案の可決を歓迎している。
また、同法案により、商業的な宇宙飛行を目指すベンチャー企業に対する準備期間(learning period)が2023年まで延長され、当該期間中は宇宙旅行の安全規則の制定や運用に責任を持つ連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA)の権限行使が猶予されるほか、国際宇宙ステーションの活動も2024年まで継続されることとなった。
一方で、当該法案は米国人が米国人に権利を与えているものであり、資源は誰も所有できないとした1967年の宇宙条約(Outer Space Treaty)との関係や、FAAの権限行使の猶予期間における責任の所在、他国の追随による他国民の権利との関係等、今後多くの問題が発生する可能性も指摘されている。
