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ニュース・フラッシュ

2015年12月3日 バンクーバー 昆野充登

加:オンタリオ州、鉱業税の増税を見送り

 2015年12月3日付地元報道によれば、オンタリオ州北部開発・鉱山大臣は、会計検査院の指摘する歳入増加策としての鉱業税増税は行わない見通しであると明らかにした。

 オンタリオ州はカナダの天然資源生産量の約25 %を占めているが、これに伴う税・ロイヤルティの歳入は、2008年の2億3600万C$から2014年は1860万C$まで下落しており、平均して市場価格の2 %程度(ダイヤモンドは1 %)しか歳入に寄与していないと会計検査院から指摘されていた。

 北部開発・鉱山大臣は、増税回避の理由として、市場価格が低迷するなか鉱業部門は厳しい状況にあること、生産前に7億5000万C$~10億C$の費用が必要となること、鉱業部門は数百の雇用を確保していること、鉱業部門も増税は望んでいないことを挙げ、増税議論は慎重に行うべきだとし、野党進歩保守党議員からも大臣の見解に理解を示すコメントが出されている。

 このほか、会計検査院は、与党自由党が鉱山開発に際して義務付けた先住民との協議が投資の妨げになっている点、Ring of Fire地域の開発に進展が見られない点につき、北部開発・鉱山省の責任を指摘している。

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