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ニュース・フラッシュ

2015年12月4日 リマ 迫田昌敏

ペルー:SENACE長官、EIA審査に関する方針示す

 2015年12月1日付け地元紙によると、12月28日からエネルギー鉱山省に替わって、鉱業、炭化水素、電力セクターの環境影響詳細評価(EIAD)の審査を開始する、環境省傘下の持続的投資環境認証サービス局(SENACE)のWieland長官は、同紙に対し今後の方針を明らかにした。長官は、エネルギー鉱山省からSENACEへの審査権限の移行に関して、急激な変化を避け、既存の審査プロセスに継続性を持たせつつも、既存プロセスの問題点を改善していく方針を示した。

 具体的な問題点として、現在のEIAは、特に基礎調査(ベースライン)の内容が不適切なために、(エネルギー鉱山省から)数多くの不備が指摘されること、その一因はEIA作成の認可を受けている約250の業者が独自の方法で調査を行っていることであると説明。この現状を変えるため、SENACEは基礎調査のプロセスを一元化すること、さらに各事業者が基礎調査を実施する際に、例えば適切なサンプル採取を行っているかなど、現場における監査業務を行う方針を示した。

 一方、SENACEによる審査がより一層の許認可取得の遅れをもたらすのではないかとの鉱業・エネルギー業界からの懸念に関しては、SENACEは法律に定められた150日以内に、プロジェクト開始に必要となる14の許認可をまとめた包括的な環境ライセンスを単一窓口から付与すると説明した。

 また、期限を遵守すべく関係セクターとの連携を行うが、そのために審査基準や調査の質を緩和することはないと述べた。

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