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メキシコ:2016年注目のメキシコ鉱業プロジェクト・鉱山10選
2016年1月5日付け業界紙等によると、メキシコ鉱業にとって過去2年間は金属市況下落・低迷による投資減退等厳しい状況に見舞われたが、2016年は過去2年間に先送りにされた総額15億US$以上となる新規プロジェクトが進展する兆しが見えている。
こうした中、2016年注目のプロジェクト・鉱山10選を以下に紹介する。
◯El Limón-Guajes金プロジェクト
加Torex Gold Resources社(本社:トロント)がGuerrero州に保有、初期投資総額が800百万US$、鉱山寿命11年に亘り年間金生産量が12 t以上であるほか、金生産コストが504 US$/ozと見込まれ、メキシコで最も低い金生産コストとなる鉱山の一つとして期待。2015年12月に生産開始、2016年Q2に本格的な商業生産開始を予定。2015年2月に同プロジェクトを含む同社保有鉱山の近隣にて同社鉱山労働者が誘拐された事件が発生したため、2016年は治安対策がキーポイント。
◯San Julián銀・金プロジェクト目
Fresnillo社がChihuahua州に保有、初期投資総額515百万US$、フル操業における年間銀生産量320 t、年間金生産量1.4 tを見込むほか、2016年中の生産開始に向け現在建設中。
◯Camino Rojo金・銀プロジェクト
加Goldcorp社(本社:バンクーバー)がZacatecas州に保有、同社が保有するメキシコ最大の金鉱山であるPeñasquito多金属鉱山に隣接するため、同鉱山と一体として運用し、既存プラントを有効に活用することにより経済性を高める計画。2016年中にプレFSを完了する予定。
◯El Boleo多金属鉱山
加Baja Mining社(本社:バンクーバー)と韓国コンソーシアム(韓国鉱物資源公社(KORES)が筆頭)とが1:9の割合で出資しBaja California Sur州に保有、初期投資総額18億US$、2015年1月に生産開始。プロジェクトの計画段階から生産開始までの間、資金、技術及び労働者雇用の問題で悩まされてきたが、2016年は、銅、コバルト及び亜鉛の生産量拡大に向けた動きに注目。
◯El Barqueño金プロジェクト
Agnico Eagle Mines社(本社:トロント)がJalisco州に保有、初期投資総額15百万US$、プロジェクト初期段階にもかかわらず、メキシコで4番目の鉱山規模となることが期待されている。2016年中に資源埋蔵量の確定を見込む。
◯San Agustín金プロジェクト
米Argonaut Gold社(本社:レノ)がDurango州に保有、2015年11月に経済性評価を公表。同社がDurango州に保有するEl Castillo金鉱山に隣接するため、同鉱山の既存プラントを有効に活用することにより経済性を高める計画。2016年に開発工事を開始すべく、計画の改善を推進中。
◯Esperanza金プロジェクト
Alamos Gold社(本社:トロント)がMorelos州に保有、年間金生産量3.1 tを見込む。現在FSを実施中、2016年中に環境関連の許認可取得を計画。
◯San Sebastián銀・金プロジェクト
米Hecla Mining社(本社:コー・ダリーン)がDurango州に保有、当初2年間で銀生産量174 t、金生産量1.1 tを見込む。2016年は、鉱山寿命延長に向けた探鉱に焦点を当てる計画。
◯El Pilar銅プロジェクト
Grupo México社の子会社Southern Copper社がSonora州に保有、2015年7月に加Mercator Minerals社の子会社Stingray Copper社から100百万US$で買収、Southern Copper社が同州において操業しているBuenavista銅鉱山の北4キロメートルに位置していることから、双方の操業による相乗効果を期待。2018年生産開始を計画。
◯Pitarrilla銀プロジェクト
加Silver Standard Resources(本社:バンクーバー)がDurango州に保有、初期投資総額741百万US$、最大級の未開発銀プロジェクトではあるが、金属市況下落・低迷により2014年に開発計画の先送りを決定。現在、高品位鉱床の採鉱に焦点を当て、プロジェクトを縮小することで開発可能か否かについて検討中。
