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中国:中科英華は徳昌厚地レアアース株式の買収中止
現地報道によれば、中科英華による徳昌厚地レアアース鉱業有限公司の株式権益の買収は中止されることになった。2016年1月26日に発表された公告によると、重役会は徳昌厚地レアアースの株式を買収中止することを承認したが、締結済み契約に含まれる条項に基づき、最大限に同社または株主の権益保障を目指す。
中科英華は、2013年より未公開株の発行方式で成都市広地グリーン工事開発有限責任公司と徳昌厚地レアアース鉱業有限公司の権益100 %を買収する契約を締結していた。しかし、先方が承認した事項を期限通りに実行しなかった上に承認した利益獲得目標も予定に達せず、また債務等もあるため、中科英華は自己資金調達方式で9.5億元以下の価格での買収に変更し、株式移転前渡金4.5億元を納付した。最終的に上記の問題を解決できず、中科英華は47.37 %の株式を買収することとし、株式移転金は4.5億元となっていた。
今回の買収中止の原因について、まず、差し押さえられた採掘許可証は、いまだ一時停止されたままで、2013年から現在まで、両社は契約添付書類の中に定めた買収を前提条件とするすべての作業を終えていないことが挙げられる。また、現在、西昌志能実業有限責任公司は通常の生産・経営を実施できない状態であり、これを通常通りの操業に戻すためには、技術改善により多くの資金を投入する必要があることも一因である。今回の長期にわたる買収手続きの間にレアアース業界で大きな変化が生じ、現在のレアアース価格は当初の想定価格と一致しない。西昌志能実業有限責任公司が保有する、四川省国土資源庁により発給された「採掘許可証」は2016年10月30日に期限満了となる。
権益買収の中止は企業の通常生産に影響を及ぼさず、今後の発展計画にも影響しない。また、既に納付済みの買収金については、中科英華は、締結した契約の取り決め条項に基づき法律方法で解決し、最大限に同社または株主の権益を保障するとしている。