メキシコ：2016年もメキシコ鉄鋼生産の下落が深刻な懸念

　2016年2月1日付け業界紙等によると、ArcelorMittal México社は、2015年に主として中国やロシア製の不当に低価格な鉄鋼製品のメキシコ国内への流入によりメキシコ鉄鋼生産が下落したが、2016年もこれらの影響により引き続き下落する見通しを示した。

　同社は、昨年メキシコ政府が中国等から輸入される低価格の鉄鋼製品から国内鉄鋼企業を保護するため、メキシコとの間で自由貿易協定を締結していない国からの冷間圧延鉄鋼、熱間圧延鉄鋼、線材、鋼板及びプレートの鉄鋼製品5品目に対し15 ％の輸入関税を実施したが、これら低価格な鉄鋼製品の輸入阻止には十分ではなかったとの見解を示した。

　なお、世界鉄鋼協会によると、2015年におけるメキシコ鉄鋼生産量は、対前年比3.9 ％減で2009年以来最大の下落となる18.3百万tであった。