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メキシコ:今後メキシコ鉱業が直面する主な課題
2016年2月8日付け業界紙等によると、大手鉱業企業が加盟するメキシコ鉱業協議会は、今後数年においてメキシコ鉱業が直面するであろう主な課題について、同協議会の会員企業関係者383名に対するアンケート調査を実施し、その調査結果を報告した。
同協議会によると、今後のメキシコ鉱業は、銅市況の下落、鉱物品位の低下、水資源確保の困難さ、電力エネルギー価格の高騰、及び、低い労働生産性と言った複雑な状況に直面する。こうした状況を踏まえ今回実施したアンケート調査において得られた結果に関し、メキシコ鉱業が直面する課題のうち主なものとして5つの課題を以下に紹介する。
1. 鉱業プロセスにおける生産性
2004年から2014年までの間、鉱業労働者の生産性は半分以下に低下し、2023年には35 %へと低下することが見込まれる。こうした状況を踏まえ、同協議会と政府は、2016年を「生産性向上を図る年」と位置付け焦点を当てている。
2. 生産革新
知識や新技術の開発は生産部門における大きなカギとなるが、その規模や先進性の観点からチリでの取り組みの例が参考となる。このため、メキシコ鉱業としては、これまでに数々の技術革新、開発及び調査研究を実施してきたチリ経済開発公社(CORFO)によって策定された国家鉱業計画を参考に、同計画を検討する作業グループを設置した。
3. 人的資本の質と可用性
鉱業労働者の研修や職業訓練に関しては重要なテーマと認識し、同協議においても4年に亘り検討を行ってきた。鉱業界として要求される鉱業労働者の研修や職業訓練を実施するため、鉱業企業、鉱業関連サプライヤー、学界及び国が協力して共同作業を行う検討会を設置する。
4. 水資源の可用性
メキシコ鉱業の多くは乾燥地域での操業を余儀なくされており、水資源確保が重要な課題となっている。同協議会では、メキシコ鉱業が置かれた環境規制の強化に対し、自主的に厳格な水資源の使用制限を行いつつ効率的な水資源の活用に努めてきた。
5. 企業による環境保護の履行
幾つかの鉱業プロジェクトは環境問題や地域コミュニティ問題により開発等が停止又は中断しているが、鉱業界としてはこれら問題が鉱業プロジェクト推進のカギであることを認識している。同協議会としては、新たな鉱業プロジェクトを推進するためには、関係法規制の遵守が重要であることを各鉱業企業に対し呼びかける。
