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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2016年2月23日 シドニー 山下宜範

豪:産金企業の経営状況は良好

 2016年2月17日付け地元紙は、産金企業の経営状況について報じている。

 同紙によれば、資源価格が下落する中、金については、対米ドルでの豪ドル安の影響も受けて、過去5年間の金価格は豪州の産金企業にとって良好である。金価格は、2014年6月に1,345 A$/ozにまで値を下げたものの、2013年4月~2015年1月までの間に1,500 A$/oz以上となった。また、2016年1月13日~2月8日の間には1,555 A$/ozから150 A$上昇して1,700 A$/ozにまでに上昇している。

 同紙は、豪州の産金企業のうち豪州のみで操業する大手の上場6社を比較している。具体的にはEvolution社、Northern Star社、St Barbara社、Regis社、Saracen社及びRamelius社である(ただしSt Barbara社についてはPNGでSimberi鉱山を操業)。

 これらの企業では、金価格と生産コスト(AISC:all-in sustainable cost)との差額である利幅は、414 (Ramelius社)~649 A$/oz (Regis社)である。最も利幅が少ないのはRamelius社だが、経営状況は良好であり負債はなく、2016年度にはMt Magnet鉱山及びKathleen Valley鉱山から110,000 oz(3.4 t)を生産する計画を有する。Evolution社、Northern Star社及びRegis社では配当も行っている。

 豪州の産金企業は過去数年間、効率化を図り、十分な利幅を生み出してきた。またWA州では油価下落により軽油のコストも概ね半減している。利幅は活発な探鉱を可能とし、新規の鉱床の発見やマインライフの延長にも繋がっている。例えばRamelius社は先日、既存のMt Magnet鉱山の採掘場の下部に3 g/tの金を含む層を発見した。なお、好調な金部門にあって、意気消沈していたのは豪州最大の産金企業であるNewcrest社であり、PNGの金鉱山の操業に苦しんできたが、金価格や他の鉱山の操業により、業績は回復しつつある。

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