閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2016年3月7日 シドニー 山下宜範

豪:グリーンフィールドの探鉱費支出は減少したが掘削長は増加、金の探鉱費支出は増加

 2016年2月29日、豪州統計局(ABS)は、2015年10~12月の四半期における鉱物資源及び石油に係る民間企業の探鉱費支出の統計を発表した。同発表によれば、同四半期の鉱物資源の探鉱費支出は、傾向推定値では前期比2.7 %増となり、前年同期比では12.3 %減となった。なお季節調整値では前期比1.4 %減であった。

 探鉱費支出は原数値では前期比3.0 %減の3億8,200万A$となり、また、探鉱の掘削長は前期比6.9 %増の1,682キロメートルとなった。このうち、新規鉱床(グリーンフィールド)では探鉱費支出は1億600万A$であり、前期比7.8 %減となったものの、掘削長は増加して、前期比29.6 %増の442キロメートルとなった。既存鉱床(ブラウンフィールド)では探鉱費支出は前期比1.1 %減の2億7,600万A$、掘削長は前期比0.6 %増の1,240キロメートルとなった。

 鉱種別では、銅の探鉱費支出は前期比4.0 %増となったが、前年同期比では23.0 %減であった。銀・鉛・亜鉛は前期比25.0 %減、前年同期比は27.2 %減と共に減少した。鉄鉱石は前期比9.4 %減であったが、前年同期比では48.7 %減と大きく減少した。一方、金の探鉱費支出は前期比3.4 %増、前年同期比35.9 %増となり、共に増加した。また、金は最も探鉱費支出が多かった鉱種であり、全体の額の3分の1を占めた。州別ではWA州における探鉱費支出が全体の6割を占めた。

 2016年3月1日付け地元紙の今回発表された統計に対する関係者のコメントによると、鉱業探鉱企業協会(AMEC)のSimon Bennison CEOは、グリーンフィールドの掘削長の増加は将来の明るい見込みを示すと共に、探鉱コストの低減が図られていることも示すと述べた。また、2015年7月から実施されている連邦政府の探鉱開発奨励措置(EDI)も良い影響を与えていると述べた。WA州鉱物エネルギー会議所(CME)のReg Howard-Smith会長は、厳しい市場や資金調達が困難な中にあってもWA州には探鉱の機会があることを示しており、また、これはWA州政府による探鉱奨励スキーム(EIS)の影響も一部にあると述べた。

ページトップへ