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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2016年3月22日 サンティアゴ 山本邦仁

チリ:環境監督庁、Maricunga金鉱山に用水井戸の閉鎖を命令

 2016年3月21日付けメディア報道によると、環境監督庁(SMA)は、Kinross Gold社(カナダ)が操業するMaricunga金鉱山(第Ⅲ州)に対して、用水井戸の閉鎖命令を下した。この措置を不服とするKinross Gold社は、環境裁判所に上訴する方針。Maricunga鉱山では操業に必要な用水すべてを閉鎖対象の井戸に依存しているほか、代替水源については新たな環境認可が必要となることから、用水井戸が閉鎖された場合、操業停止を余儀なくされる。

 Maricunga鉱山操業に関連する環境影響をめぐっては、2015年5月にSMAが最初の制裁措置(操業停止あるいは環境認可取消し、および最大8.5百万US$の罰金)を提起。今回の命令は、その後の監査結果を受けたもの。SMAは、鉱山操業により周辺湖の湿地70ヘクタールが乾燥化し、同様の状況はさらに73ヘクタールへ広がる可能性があり、希少生物への重大な影響が懸念されると指摘している。また、ラムサール条約による保護対象エリアへも影響が及ぶことから、SMAは、本事案を国防審議会(CDE)や環境裁判所にも報告済みであるとしている。

 Kinross Gold社は「第Ⅲ州は近年厳しい旱魃に曝され地下水位が下がっている。湿地帯が干上がったのは鉱山操業と関係しない。Maricunga鉱山は常に環境を考慮して様々な対策を講じてきた」とコメントしている。

 1996年に生産を開始したMaricunga金鉱山は、金価格の低迷から2002~2005年に休止したが、2005年11月に再開。2015年の生産金量は6.6t、2015年末時点の可採鉱量(金量)は32.4t。

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