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アルゼンチン:SQM社、Cauchari-Plarozリチウムプロジェクトに参入
2016年3月29日付けメディア報道によると、SQM社(チリ)は、Cauchari-Plarozリチウムプロジェクト(Jujuy州)を保有するLithium Americas社アルゼンチン子会社Minera Exar社とJV契約を締結した。SQM社は25百万US$(15百万US$の融資を含む)の拠出により、Minera Exar社の50%権益を取得する。両者は今後、2012年版FS調査のアップデートやエンジニアリング設計を進める予定。2012年版FS調査で20,000tとされた年間炭酸リチウム生産量を、40,000tとして検討が進む模様。この作業には18ヵ月を要する見込み。FS調査を含め、Lithium Americas社がこれまでに投じた費用は80百万C$以上。
生産拠点としてAtacama塩湖(チリ第Ⅱ州)を擁するSQM社は世界首位のリチウム生産者であり、2015年のリチウム生産・販売量は38,700t。リチウムビジネス関連の2015年収益は前年比8%増となる223百万US$であった。
SQM社は一方で、2015年、一部幹部による不正な経理処理や政治献金が明るみに出たほか、Atacama塩湖でのリチウム粗鉱権に関してCORFO(チリ経済開発公社)と争議を抱えている。また、最近では、2010年の震災復興財源確保のための鉱業ロイヤルティ税率引き上げに際して、Contesse前CEOが税率低減をはかるべく利益誘導を働きかけたとの疑惑が指摘された。今回のアルゼンチンでリチウム事業の展開について、チリ国内での逆風を避けて事業拡大を目指すもの、あるいは、CORFOとの争議解決を多少でも有利に進めるためのもの、との指摘がある。