ニュース・フラッシュ
2016年5月30日
メキシコ
縄田俊之
メキシコ:鉱業特別税等がメキシコ鉱業にダメージを与える
2016年5月23日付け業界紙等によると、2014年1月に施行された鉱業特別税、貴金属鉱業特別税等新たな鉱業税制が、メキシコ鉱業に様々なダメージを与えている。
新たに導入された鉱業特別税等は、2014年1月に施行されたものの、課税額は2014年の各鉱業企業の決算実績を基に算出されるため、実際に徴税が開始されたのは2015年である。このため、各鉱業企業にとって鉱業特別税等が企業経営に負担となり始めたのは2015年の納税からであるため、本年で実質的に2年目の納税を迎えた現在、当該負担が恒常的なものとなり鉱業活動の妨げとなっている。
特に鉱業特別税等の導入により、各鉱業企業は生産性が低下する一方、新規投資を控える傾向が増した。本来であれば、資源採掘産業にとっては、採掘を行うことで将来の生産が消滅していくため、鉱業生産を継続しつつ探鉱を行い絶えず新たな生産拠点を発見、開発すべきであるが、鉱業特別税等による毎年の課税負担のため、探鉱等新規投資に振り分ける原資が不足しているのが実態である。