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ニュース・フラッシュ

2016年6月7日 シドニー 山下宜範

豪:探鉱の掘削の際にリアルタイムで情報を入手し効率向上を図る共同研究が終了

2016年5月31日、深部探鉱技術共同研究センター(DET CRC)が、新たな探鉱の掘削プログラムである「鉱物システム掘削プログラム(MSDP)」の試験が2016年5月初めにSA州のEyre半島北部にて終了したと発表した(DET CRCは連邦政府の共同研究プログラムの下に設立された研究機関)。MSDPは探鉱の効率向上を図るためのものであり、リアルタイムで掘削の情報が得られること等により意思決定が迅速化し、グリーンフィールドの探鉱を促進することが期待される。

試験はDET CRC、SA州地質調査所、Minotaur Exploration社、Kingston Resources社、Imdex社、Olympus社、連邦科学産業研究機構(CSIRO)、Curtin大学、Adelaide大学の政府機関、企業、大学研究者等の参加の下に行われた。実施期間は9カ月以上であり、14箇所の掘削孔が設けられ、計8㎞の掘削が行われ、SA州の東部Gawler Craton Olympic Copper Gold地域においても価値ある地質情報が得られた。

MSDPで用いられた具体的な技術は、掘削に係るパラメーターを掘削現場で分析して掘削を最適化する技術、掘削流体の情報をリアルタイムで提供して最適化を図る技術、ガンマ線センサーにより掘削孔の岩石の性質を観測する技術、ボーリングコアの有望性をリアルタイムで評価する技術等である。

なお、SA州政府は、DET CRCに対し、同州の探鉱促進支援策であるPACEフロンティアプログラムから250万US$を出資しており、Minotaur Exploration社、Kingston Resources社及びDET CRCに対しても100万US$の資金提供を行っている。

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