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ニュース・フラッシュ

2016年7月6日 ロンドン 竹下聡美

英国:Rio Tinto、Jean-Sébastien Jacques新CEOが就任、資源コモディティの供給過剰に警鐘

Rio Tintoの新CEO、Jean-Sébastien Jacques氏は、供給過剰は生産者間の価格競争を継続させ、コモディティ価格の低迷は終わりが見えないと警告した。
Jacques氏はインタビューで、「供給過剰が、あらゆるコモディティで起こっている。供給過剰から最初に解放されるコモディティは銅だろう。鉄鉱石、石炭などのその他のコモディティは、供給過剰から抜け出すのはまだまだ先の話で、価格に対するボラティリティからの圧力はまだ続くと見ている」と答えている。
同社の利益の多くは鉄鉱石市場によるものであり、鉄鉱石価格は2011年1月には184US$/tであったが、現在は54US$/tとなっている。多くのアナリストは、生産者在庫積み上げにより、2016年末にかけてコモディティ価格は緩やかに下落すると見ている。Rio Tintoは、大型鉄鉱山の生産継続により小規模生産者の撤退をやむなくしていると批判を受けている。前CEOのSam Walsh氏の就任中、Rio Tintoは鉄鉱石生産を20%増加させ、3億6,000万tの生産能力を上げた。
また長期的に銅市場は比較的強くなるというRio Tintoの考えを反映して、Rio Tintoは53億US$に及ぶモンゴルOyu Tolgoi銅鉱山の拡張を進めている。Jacques氏はモンゴル政府との合意締結を決めた1人として今回CEOに昇格したとされている。
なお、英国のEU離脱に関してJacques氏は、「Rio Tintoに全く影響を与えていない。英国と豪州での株式市場に上場しているRio Tintoは、ロンドンに本部を今後も置き続ける。ロンドンは我々のビジネスを完全に理解している銀行、弁護士がおり、また良いアナリストもいる」と発言している。

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